豊さんの花鳥風月 今日の一句

花鳥風月の王国で霞を食ってます。

春隣

春隣る読書しながら寝てる妻 藤木洋良

春近し

春近し今日のお昼は親子丼 藤木洋良

日脚伸ぶ

日脚伸ぶそわそわ歩く家の中 藤木洋良

寒玉子

寒玉子我が人生に悔いはなし 藤木洋良

マフラー

マフラーを巻いて故人を偲ぶ我 藤木洋良

暖房

暖房や貧しき我は聖書読む 藤木洋良

寒雷

寒雷や山の神さん針仕事 藤木洋良

寒の内

われ老いて縮こまってる寒の内 藤木洋良

寒風

寒風や星座の名は我知らず 藤木洋良

蝋梅

蝋梅の香は清貧で謙虚なり 藤木洋良

枯葦

枯葦に雀の止まる鳥屋野潟 藤木洋良

寒の雨

珍しや越後の国に寒の雨 藤木洋良

冬薔薇

言の葉に香りありけり冬薔薇 藤木洋良

冬の梅

親が子に子が親に似る冬の梅 藤木洋良

浮寝鳥

浮寝鳥三羽二羽いて揺らぐ影 藤木洋良

冬木の芽

冬木の芽はじめに言葉あるごとし 藤木洋良

雪原

雪原で石の叫びを我は聞く 藤木洋良

飯豊山雪を被りて座りをり 藤木洋良

着ぶくれ

着ぶくれて我が人生は夢の跡 藤木洋良

雪見障子

築三十年雪見障子に爪の跡 藤木洋良

湯冷め

湯冷めして老妻の腰なまめかし 藤木洋良

寒鴉

老妻や髪を染めれば寒鴉 藤木洋良

冬ごもり

老夫婦亡き子を偲び冬ごもり 藤木洋良

葱(ねぎ)

葱白し清貧に生き死にたし 藤木洋良

冬景色

冬景色水満々の信濃川 藤木洋良

老の春

眼鏡拭き見えるもの見る老の春 藤木洋良

七草粥

七草粥食えば健康わが命 藤木洋良

命日

命日や六日の風に酒が酔ひ 藤木洋良

五日

心身に埃が積もる五日かな 藤木洋良

四日

うとうとと我は生きてる四日かな 藤木洋良