豊さんの花鳥風月 今日の一句

花鳥風月の王国で霞を食ってます。

命日

命日や自ずから散る花ありや 藤木洋良

寂しさはここに極まり桜咲く 藤木洋良

ヒヤシンス

老いの我暇もて余すヒヤシンス 藤木洋良

亀鳴く

めでたしや亀鳴くを聴き我老いる 藤木洋良

山笑ふ

睨めっこ亡き父笑ひ山笑ふ 藤木洋良

春の夜

春の夜や亡き母恋し茶碗蒸し 藤木洋良

蓬餅

食いたし母手作りの蓬餅 藤木洋良

黄水仙

美しく呆けて死す母黄水仙 藤木洋良

菜の花

菜の花や空は微笑み風笑ふ 藤木洋良

黄水仙

新潟の空は空色黄水仙 藤木洋良

たんぽぽ

たんぽぽや光と風がかくれんぼ 藤木洋良

春の夜

春の夜の夢見るために我は寝る 藤木洋良

春の暮

二三本徳利を寝かす春の暮 藤木洋良

春の昼

春の昼紅茶茶碗で酒一杯 藤木洋良

春の朝

茶柱や新聞匂う春の朝 藤木洋良

桜の芽

老いの日々新たなりけり桜の芽 藤木洋良

彼岸

生き死にはあなた任せの彼岸かな 藤木洋良

春暁

春暁や続きの見たい夢を見る 藤木洋良

春の鴨

故郷は淋しきところ春の鴨 藤木洋良

三月

三月や早起き過ぎる小鳥たち 藤木洋良

木の芽冷え

古傷に風が触れるや木の芽冷え 藤木洋良

犬ふぐり

寂しさはこんな色かな犬ふぐり 藤木洋良

梅の花

人生は懺悔懺悔や梅の花 藤木洋良

春田

鳶一羽舞ひて春田となりにけり 藤木洋良

落椿

生き死にの死は生なりや落椿 藤木洋良

紅梅

紅梅や汝は好きか青き空 藤木洋良

梅白し滑舌がいい鳥が鳴く 藤木洋良

春の夜

春の夜の柱時計は老いにけり 藤木洋良

春の川

春の川のらりくらりと流れゆく 藤木洋良

春の日

春の日やあっけらかんと惚ける風 藤木洋良